多くの北欧の人がワッフルを焼く日
今日(3月25日)は、スウェーデンではワッフルの日(Våffeldagen)。
先週位からいろいろなスーパーでワッフルの粉を安く販売し始めています。
それを見て「そういえば来週がワッフルの日だ」とスウェーデン人の旦那さんが気付き、即ワッフルの粉の箱を買い物カゴに入れました。
小麦粉とミルクの粉、砂糖、卵の粉が入っているので、バターと水を加えるだけで簡単にワッフル液ができます。
おいしそうなワッフルのパッケージ写真に惹かれ「わあ、ワッフル専用の粉だ!」とあまりよく考えずに買ってしまったけれども、卵の粉ってどうなんだろう、とちょっと疑問も浮かびます。
作りたいと思ったときに卵がなかった、なんていうときには助かりそうです。
北欧のワッフルはハート型♡
日本では、ワッフルというと四角い形のベルギーワッフルを想像する人が多いと思います。
スウェーデンやノルウェーなど北欧では、ワッフルはかわいいハート型。ハートを円形に6個並べたお花のような形をしています。
日本に住んでいたときは、このハート型のワッフルメーカーを手に入れることができず、BAW-LOO(バウルー)の四角い鋳型のワッフルメーカーをつかっていました。
スウェーデンであれば、ハート型のワッフルメーカーを手に入れることができる!
早速いろいろなワッフルメーカーを調べて、一番評価が高かったシングルのワッフルメーカーを購入することにしました。
スウェーデンでは、子どもたちと一緒に家族みんなでワッフルを食べることが多いので、一度に2枚焼けるダブルのワッフルメーカーが人気のよう。
日本でいうと、きっとホットプレートやたこ焼き器みたいな存在なんでしょうね。
ワッフルの日(Våffeldagen)って?
ワッフルの日(3月25日)は、実は聖母マリアの受胎告知の日。
キリスト教の新約聖書のエピソードのひとつ、聖女マリアのお告げの日です。
聖女マリアに天使のガブリエルが降りて、マリアが聖霊によってキリストを授かったことを告げて、またマリアがそれを受け入れた日。
スウェーデン語では、この聖母の日を”Vårfrudagen”(ヴォルフルダーゲン)と言うのですが、この発音が”Våffeldagen”(ヴォッフルダーゲン)と似ているので、いつからか「ワッフルの日」となったようです。
ちょっとびっくりするような由来です……。
春の訪れとワッフル
3月25日の聖母マリアの日は、古くから長い冬が終わり春が訪れる時節としても捉えられていました。
春の収穫が始まり卵や牛乳などの乳製品に、よりアクセスしやすくなるタイミング。
ワッフルの日にぴったりだったという説もあります。
といっても、今のようにバターや砂糖、卵が入ったワッフル生地にトッピングをしてワッフルを食べるようになったのは、19世紀後半頃から。
それまではパンのようにシンプルな材料で作られていたようです。
スウェーデンスタイルで召し上がれ
スウェーデンの伝統的なワッフルは、ホイップクリームとジャムを上に載せていただきます。
カフェによっては、アイスクリームやベリーを載せて提供するところもあります。
私たちは、ホイップクリーム+ベリー+メープルシロップの組み合わせがお気に入りのトッピング。
カリッと焼けたワッフルにふわふわの生クリームと甘酸っぱいベリー、濃厚なメープルシロップをかけると、うっとりするような贅沢なワッフルに。
ベリーとメープルシロップの相性がいいのは、やはり森の仲間だからかなと勝手に納得しながら味わいます:)
1948年創業のノルウェーのワッフルメーカー
北欧のワッフルは、ベルギーのワッフルよりも薄めなので、とてもクリスピー。
ただし、そのクリスピー感をうまく出せないと、ペラペラと薄いしっとりした微妙なワッフルが出来上がってしまいます。
サクッとした食感を出すには、なんといってもワッフルメーカーが重要です。
今回購入したワッフルメーカーは、1948年創業のノルウェーのメーカー Wilfa(ウィルファ)のもの。
Wilfa には10種類のワッフルーメーカーがあり、ちょっと迷いましたが、スウェーデンでよく見かける”Bäst i Test”(さまざまなメーカーのものをさまざまな観点から検証してベストなものを決める)で高評価を得ていた機種を購入しました。
こちらは鋳型の構造にちょっとした工夫があるようです。
ひとつは中心に向かって傾斜があること。もう一つは、蒸気を出す穴があること。
この特殊な構造により、余分な水分を出してクリスピーな食感を残すことができます。
実際に焼いている間はたくさんの蒸気がシューシューと出ていました。
付属品として、ワッフル1枚分ぴったりが計れる専用レードルが付いていて、とても便利でした。
Wilfa
1948年創業のノルウェーの家電機器メーカー。ワッフルメーカーの他に、エアーフライヤーも多くの種類を製造しています。スタイリッシュなデザインが特徴です。
ワッフルを香ばしく焼くには?
おいしいワッフルを作るためには、良いワッフルメーカーをつかうことも重要ですが、他にもいろいろなポイントがあります。
・焼く前にワッフル液を最低2時間は休ませる
→粉にワッフル液を十分に吸収させることで中はふっくら、外側はカリッと
・ワッフルメーカーは十分に温めて、冷やしたワッフル液をつかう
→温度差が高いとカリッと焼ける
・牛乳の代わりに水をつかう
→牛乳で味にリッチな風味が加わるので好みによるかもしれません
・焼き上がったワッフルをお皿に積み重ねない
→網の上に置くのがベスト
どこの国のワッフルが好き?
外側がカリッとクリスピーで中はしっとりな北欧ワッフル、日本ではまだあまり見かけませんが、機会があればぜひ試してみてください。
ベルギーワッフルとはまたちがったおいしさがあります。
そういえば日本にも、カスタードクリームをふわふわしっとりした生地で挟んだ日本独特のワッフルがありますね。
オランダでは、北欧のワッフルよりさらに薄いクッキーのような生地でキャラメルシロップをサンドした Stroopwafel (ストロープワッフル)が有名です。
ワッフルひとつとっても、国それぞれのいろいろな特徴があって、とても興味深いです。
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